発達障害の症状 「ことばで説明するのが苦手」の理由①

2017/09/05 | 教材&トレーニング ご紹介♪

こんにちは🍀
言語聴覚士(ST)の田中美穂です。
 
なんだか一気に涼しくなりましたね。
夜、急いで少し厚手のお布団を出し、
パジャマも長袖に変えました。

つい先日まで、ノースリーブでも
いい位の真夏日だったのに…
身体がびっくりしています(笑)

でも明日はまた暑くなるとか…
急な気候の変化にご注意下さいね♪
 

 
 
よつば塾には、年長から中学3年生までの
幅広い年齢の子ども達が通っています。

学習やコミュニケーションの指導をする中で
学年問わず多くの子ども達がつまずく
”日本語の難関ポイント” があるんです。

それは何かと言うと…
 

助詞

 
助詞とは、「が」「で」「に」「を」等の
文章を構成するパーツです。

その音単体では意味を持ちませんが、
文章の中に入ると、単語同士をつなぎながら
関係性を表したり意味を付け加えたりする
重要な品詞です。
 
 
K君がTさんによつばのクローバーをあげた
という文章を分解すると、

K君 / が / Tさん / に 
よつば / の / クローバー / を / あげた

となり、助詞は「が」「に」「の」「を」の
4つが含まれています。

これら助詞を正しく使うことが難しく、
言いたいことが上手く伝えられなかったり
作文がとんちんかんになる子が多くいます。
 

 
 

発達障害をもつ子ども達の中には、
その場の状況をくみ取ったり把握することが
苦手な子がいます。

登場人物が多かったり、内容が複雑で処理が
難しい場合などに顕著になり、
「誰が誰に何をどうしたのか」を整理できず
行動の発信元・送信先が混乱してしまいます。

それをことばで説明する時、
さらに混乱してしまうんですね…。
 
 
この絵カードを例に見てみましょう!

絵カード「〇〇 が △△ を 押す」

 
「”誰が⇒誰に”っていう矢印を書いて」と
お願いすると考え込んでしまう子や
「お母さんが?…男の子が?男の子に?」と
混乱してしまい文章に出来ない子も。
 
さらに難しいことに、
「あげる」「もらう」などの方向性を含む
動詞を使う場合には、それに合わせて助詞も
使い分けなければならないんですよね(;^_^A
 

 
このカード1つについても、
・お母さんが男の子にケーキをあげる
・男の子にお母さんがケーキをあげる
・男の子がお母さんからケーキをもらう
・お母さんから男の子がケーキをもらう
等と、色んな表現の仕方が可能です。

全て同じことを言っているのに…
ややこしいっ!!
 
 
🍀🍀🍀🍀🍀
 
 
私は、まずはフリートークの場面で
簡単に絵を描きながら状況を確認しつつ
お話を進めるようにしています。

学校の話を一生懸命教えてくれるのですが
クラスメイトが3人以上出てきたら、
誰が誰に何をしたのかが混乱してしまいます。
 
 
これは実際、お話しながら私がメモした絵。
 

※ 喋りながら描いたので
  下手なのはお許しくださいね(笑)
 
こんな簡単な棒人間の絵でも
出来事の全貌が整理できるならOK!(笑)
この絵を見ながら、一緒に情報を整理して
お話しする練習をしてみました。

お話のポイントは4つ!!
🍀 主語を必ずつける
🍀 行動の向き(→)を見て話す
🍀 僕は何をしたのか、を言う
🍀 僕はどう思ったのか、を言う

指導後には、助詞をきちんと使って無事
お母さんに報告することが出来ました☆
 
 

日本語は「誰が」を省略する文化。
だからこそ、子ども達は悩みます。

面倒でも「誰が、誰に、何を、どうしたのか」
を丁寧に聞き取って整理してあげると
「きちんと伝えればわかってもらえる!」と
自信をもってお話できるようになります♪

ぜひ試してみてくださいね♪


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