LD(学習障害)の症状④ 鏡文字(左右反転した文字)になる理由

2017/10/12 | 知れば納得!症状と理由 シリーズ

こんばんは🍀
言語聴覚士(ST)の田中美穂です。
 
 
暑い日が続いていましたが、
今日からまた、一気に秋めいてきましたね!
夜はきゅぅっと冷えています。

厚めのお布団やパジャマに変えたり、
手首・足首・首元を冷やさないようにして、
秋の冷え込みに備えましょー(^^)/
 

 
 

子ども達と勉強をしていると
「鏡文字」になってしまって
ひらがな・カタカナの書きに苦戦している
子に出会います。
 
 
鏡文字とは、鏡で映したように
左右が反転した文字のこと。

文字に含まれるカーブや傾きについて
捉えにくかったり混乱したりして
書いてしまうようで…
 
書きたい文字は『さ』だけど…
(>_<)「これ、『ち』みたいになった!」

一生けん命『む』を書いている途中で
(>_<)「次、どっちに回るの?!」
 
 
なぜこうなってしまうのでしょうか。
今日はその理由に迫ってみようと思います!
 
 

 
 

文字を覚え始めたばかりの頃は
とにかく、書くことが楽しい段階です♪

見様見真似で書いているだけで
形を正確に捉えきれていないことも多いため
鏡文字が頻発していても、
特に気にしすぎることはありません。
 

小学校入学前後になると、書く活動や経験が
増えて、徐々に ”目で見る力” が育ってきます。

すると、自分が書いた文字とお手本を見比べ
カーブ・傾きの違いに気付きはじめ、
「そうか、こっち向きかぁ…」と自然に
修正されていくのです♪

これが「書き」の発達ですね^^
 
 

 
 
しかし、発達障害(特にLD)をもつ子達で
”目で見る力” が弱い子達にとっては、
その違いに気付くことが難しいのです。

斜め線も、どっちに向かってどれくらい
傾いているのかわかりにくく、
線が交差すると一層混乱してしまいます…

先日も、
 「チ」と「モ」の違いがわからない…
 「ヤ」と「カ」で大混乱…
 「こ」が回ってしまい「い」に見える…
などの相談を受けたところです。

鏡文字になっていることすら気付かない子も
多いので、形に注目しながら1つずつ
丁寧に支援していく必要があるんですね!

 
 

なお、左利きの子にとって、
時計回りのカーブは、手首が動かしにくく
とっても書きにくいんだそうです。

しかし、悲しいかな…
ひらがなはほとんどが時計回りカーブ…

「あ」「う」「お」「か」「す」「つ」
「な」「ぬ」「ね」「の」「は」「ふ」
「ほ」「ま」「み」「む」「め」「や」
「ゆ」「よ」「ら」「る」「ろ」「わ」

書き出しただけで、こんなにあるんですね!

左利きの子達にとっては、難易度の高い
これらが鏡文字になりやすいようです。

むむむ…
 

 
 

鏡文字になりやすいかどうかのチェックには、
この3つを見ていくとよいそうです!
よつばでもやってみてます♪

 
 

🍀 利き目 & 利き手 のチェック

 穴を覗くとき、どちらの目で見ますか?
 どちらの手を使ってボールを投げますか?
 どちらの手を使って文字を書きますか?
 利き手を矯正したことはありますか?
 
 
🍀 左右概念のチェック

 「右目はどこ?」「左足はどれ?」
 「右耳は?」と体のパーツをランダムに
 質問してみましょう。
 左右概念が未熟な子は、すべて逆になって
 しまったり、ランダムに応えたりします。
 5歳以上でこの様子が見えたら要注意です。
 
 
🍀 左右反転しやすい文字を書いてみる

 なぞり書きや見本を見ながらでいいので、
 文字を模写してみましょう。
 線のストローク(書き方)はどうですか?
 
 
鏡文字の傾向が強そうであれば、
形を意識し見比べる遊び・パズルなどに
取り組むのがよいでしょう♪
 
 
※参考文献
鴨下賢一先生の「読み書き指導ことはじめ」
参考にさせていただいております!


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