こんばんは🍀
言語聴覚士(ST)の田中美穂です。
ご好評につき第6弾突入!!
シリーズ ☆ 算数のつまずきを考える
本日は
「九九が覚えられない!」について
考えてみたいと思います。
算数の問題を解く時、私たちは
あらゆる力を総合的に使っています。
先日お話した「数概念」(基数性・序数性)
もその一つですが、他にも、
記憶力、集中力、言語理解力などなど
計算には総合的な力が必要になります。
そんな中で、九九は
” 記憶 ” と ” 聴理解 ” の力を
フル活用しなくてはならない分野です。
皆さんも、小学生時代を思い返せば
ひたすらに九九を暗唱し反復練習して
嫌々ながらに九九テストに挑んだ記憶って
ありませんか??
私はお風呂に九表が貼られていたり、
パラパラめくる九九暗唱カードを使ったりと
覚えるためにアレコレした思い出が…。
…どうやら、九九の暗唱は
あまり好きではなかったようですね(笑)
よつばで教えている子の中にも、なかなか
九九が覚えられない子が何人かいます。
覚えられない理由は、
どうやら大きく3つに分類できそうです。
🍀 音が聞き分けにくい 🍀
音の違いを聞き分けにくい子は、
九九の暗唱途中で、何を言っているのか
わからなくなる場合があるようです。特に 4(し)⇔7(しち)の音の違いが
聞き分けにくく、大混乱!!3×7(さんしち)=21
3×4(さんし )=12これがかなり難しい…。
暗唱中も「さぶろく18!さんしち12!」
と間違って覚えてしまったり、
ランダムに「3×7は?」と聞かれて
「さんし12!」と答えてしまったり。「ししち28」なんて難易度Maxです(>_<)
音の聞き分けが理由で九九が苦手な子は、
振り返れば園児時代にも
4(し) と 7(しち)
1(いち)と 7(しち)
で苦戦していた経緯がある子も多いんです。
学校でOKが出れば、
4の段は「よんいちが4、よんに8…」
7の段は「なないちが7、ななに14…」
と唱えていいことにしてもらって、
しっかり区別し覚えていくとよいでしょう。
九九の目指すところは
唱えることでなく、計算に使えること^^
🍀 呪文かお経のように覚えている 🍀
九九はとにかく暗唱するもの!と思い
数字として認識していない子も
実は多いのだと、最近気づきました。般若心経を唱えるように、
寿限無を覚えるように、
ひたすら丸暗記で乗り切ろうとしたため
「さぶろく?さぶろく54だよ!」と
とんでもない答えに…(>_<)よくよく話を聞いてみたら、
3の段が「3の掛け算・3が共通」と
いうことに気付けていなかったため
「さぶ(=3)ろく(=6)」と
知らなかった!と話してくれました。九九の「〇の段」の法則に気付けないと
「さぶろく」=18
「さんしち」=21
と1個1個対応で丸暗記することになり、
莫大な記憶量が必要になっちゃいます。
こりゃえらいこっちゃー!!
丸暗記型になってしまっているお子さんには、
「〇の段」が明確に色分けされていたり、
読み仮名と数字が一致しているような
九九表を利用するのがよいと思います。
こんな感じかな~
そして、耳だけでなくしっかり目で見て、
数字と音をマッチングすることも重要です。
「今自分が唱えているのは、掛け算なのだ」と
わかること。大切ですね!!
🍀 色んな言い方があって混乱 🍀
九九では、
1つの数字を色んな言い方で唱えます。例えば
3→「さんいちが3」「さぶろく18」さらに難しいのが
8→「にはち16」「さんぱ24」
「しわ32」 「ごは40」先日これで悩んでいる子に、
「はち、は、ぱ、わ って全部8のこと」
と教えたら、目を真ん丸にしてました。気付いてなかったんですね…
この場合の対処方法は、
音の聞き分けが苦手な子(上記)と同じように
しっかりと「8」だとわかる唱え方に
統一してあげるとよいでしょう。
にはち16 さんはち24
よんはち32 ごはち40
多少言いにくいですが、これで覚えられたら
混乱するよりはずっといいですよね!(*´ω`*)
🍀🍀🍀🍀🍀
九九で悩んでいるお子さんがいたら、
どこで悩んでいるのか見つけてみましょう♪
覚えにくい理由が、きっとあります。
みんなと違う唱え方になったとしても、
九九は九九!
ちょっとカスタマイズしただけです。
目指せ掛け算マスター☆
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