こんばんは🍀
言語聴覚士(ST)の田中美穂です。
先日の記事で、
『LDをもつ子は、基本的な学習能力の
1つもしくは複数が部分的に苦手で、
その偏りが学習場面で顕著になる』
とご説明しました♪
今日は、LDによるわかりにくさの
実例とその理由を
いくつかご紹介してみます♪
おしゃべりをしている時は、
なめらかに普通に話しているのに、
国語の教科書を音読する時には
たどたどしい読み方になる子がいます。
例えば、
という文章があったとします。
1年生の教科書だと全部ひらがなです。
これを読むとき、私たちは無意識に
と意味のまとまりにして読みますね。
でも、LDを持つ子はどこからどこまでが
意味のまとまりになるのかわかりにくく
1文字1文字なぞるように読みます。
どこで区切ったらいいかわからないんです。
なので…
と読むことになります。
「逐字読み」や「拾い読み」とも言います。
なぜこうなってしまうのでしょうか。
私たちは、文字「な」が ”ナ na” という
音だということを覚えているため、
そこまで労力をかけずとも、ほぼ自動的に
文字と音を一致させることが出来ます。
しかし、LDをもつ子達は、その音⇔文字の
マッチングに時間がかかってしまうんです。
なつやすみの「な」を1文字読むにも、
「これは…な?いや、ま?らだったかも?」
と試行錯誤しているんですね。
1文字1文字のマッチングに必死なので、
音読スピードは遅くなり、文章の意味を
理解するまで処理が追い付かないんですね。
ちなみに。
LD、特に読みが苦手な子の中には、
たくさんの文字が同時に目に飛び込んでくると
ぼやけたり文字がゆがんでしまう子もいます。
文字が散らばるように動いて見える、等
その症状は人それぞれなようです…。
文字を追うための眼球コントロールが
うまくいかずに、改行で失敗してしまい
どこを読んでいたのかわからなくなる
子もいますね。
🍀🍀🍀🍀🍀
なお、音⇔文字のマッチングは
カタカナになるともっと難しくなります。
なぜかというと、カタカナは文字の形が
似ているものが多く混乱しやすいからです。
もう、ソとン なんて双子同然です(笑)
文字フォントによったら
同じように見えるモノも多いですし…
🍀🍀🍀🍀🍀
さらに、日本語の特殊ルールがいくつかあり、
LDをもつ子を悩ませています。
もはや「罠」と言ってもいいレベルです(笑)
罠1)
「きゃ」という音は1つなのに、
「き」と「ゃ」の2文字になる
罠2)
声に出さず音もない、空白のスペースに
「っ」と1文字入っている
罠3)
声では「おとーさん」と言っているのに
「おとうさん」と表記される
いやぁ、日本語難しい。
読むのって大変。
1年生のみんな、本当によく頑張ってるね!
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