こんばんは🍀
言語聴覚士(ST)の田中美穂です。
LD(学習障害)の中で、
今まで特集してこなかったジャンル
「算数障害(計算障害)」について
今日から何日間かに分けて、
シリーズでお話してみようと思います♪
読み書きの支援については、たくさんの
研究発表があり、書籍も多く出ています。
これに比べて、算数・計算に関する研究は
実はまだまだ数が少なく、途上段階で
書籍も少ないのが現状なんです…(>_<)
とはいえ!
読み書きのつまずきと同じ位に
子ども達が苦戦しているのが、算数です。
よつばにも算数が苦手な子が多くいます。
こりゃ、気合入れてがんばるぞー!!
小学校入学前(乳幼児期)の子ども達は、
ことばを次々と覚え理解してゆきますよね。
それと同時進行で、「数」についての
理解も進んでいくのですが、
「数の習得」には、視覚・触覚・筋感覚など
全身の感覚が関与していると言われています。
たとえば「大きさ・長さ・重さ」などは
目で見るだけではわからず、
手で持って初めて感覚的に理解できます。
1個の積木を運ぶだけなら、
軽くて小さいからつまんで運べるくらい。
でもそれが10個だったら?
もっと多い25個だったら?
両手を使わなきゃいけない位に大きくなり、
材質によってはかなり重たくなります。
こうした経験と運動・感覚によって
1より10が、10より25が、大きく重たいと
いうことを感覚とともに学んでいくのですね。
さらに、物の ”動き” を把握することで、
「多い/少ない」だけでなく
「増える/減る」がわかるようになります。
これが、足し算・引き算などの
演算の源になると言われています。
ことばも体を動かし、経験の中で学びますが
それ以上に「数」と「身体・運動」には
密接な関係があるようです。
こう考えると、数はかなり感覚的なもので、
日常生活に密着したものなんですね~。
おおむね3歳頃から、めきめきと発達する
”数に関する感覚” を
「数感覚(ナンバーセンス)」や
「数量概念」と呼び、研究が進んでいます。
これらは、算数・数学の土台となり
視覚的に捉えるものが多いです。
たとえば、このモミジ。
置かれた範囲だけ見れば右の方が広い。
けれど、もみじの数を数えれば
明らかに左の方が多い。
左と右のどんぐりは、配置こそ違えど
どちらも同じ “5個” だ!とわかる。
大きさだけなら、右の柿が大きい。
数として大きい(多い)のは左の柿。
でも、食べたらどちらも同じくらいの量。
こんな風に、「数量」について
目で見て理解できるようになると、
数を操作する(計算する)ための土台作りが
進んだ!ということになります(^^♪
でもでも…、「かず」を理解するには、
まだまだたくさんの力が必要です!!
というわけで、次回は!!
「かず」に関係することば・文字について
考えてみたいと思います♪
お楽しみに~(^^)/
⇒ 前の記事:自閉スペクトラム症の症状「一方的に話す」の理由