ワーキングメモリが弱いとどうなる? ~ あるあるエピソード① ~

2017/11/20 | ワーキングメモリ

こんにちは🍀
言語聴覚士(ST)の田中美穂です。

 

先日、美容院に行ったのですが、
授業前(午前中)に大急ぎで行ったので
パーマをあてる時間が捻出できず…(笑)
その分、店長がきれいにきれいに
ブローしてくれたわけですが(^^♪

案の定… 子ども達からは
「田中先生、なんか変~!」
「違う人みたい」
「・・・・・」(凝視&フリーズ)

よつばキッズ達のファッションチェックは
なかなか厳しいですね~(笑)

 

 
 
 
さてさて。

本日も「ワーキングメモリ」特集♪

前回の記事「ワーキングメモリって何? ~現在進行形の働いている記憶~」では
ワーキングメモリについて
なるべくイメージしやすいように
お伝えしてみました。

今日から何回かに分けて
ワーキングメモリが弱い子達は
どんなことで苦労しているのかな?
というのを事例でお伝えできればと
思います♪

 

ちなみに、子ども達だけでなく
私達大人でも当てはまる
「あるあるエピソード」も
たくさん出てくるかと思います。

それもそのはず!

ワーキングメモリは、20代をピークに
加齢とともに徐々に容量が減ってくる
ものなのです。
年を取って「物忘れがひどくなる」の原因は
ワーキングメモリなんですね!!

※ ワーキングメモリを ”WM” と
  略して表記する場合があります。

 

 

【WMあるある、その1】

キッチンから二階の寝室に来たけれど、
「さて何しにきたんだっけ?」と
目的がわからなくなる。

途中で声をかけられたわけでもないけれど、
なんとなく別の事を考えていたり
移動するという運動自体に気を取られたり
ついでに…と洗面所に寄ったりしたから、
本来の「目的」を忘れてしまった…。

あるある~!!
ほんのちょっとの時間・ちょっとの内容でも
「目的を覚えておく」ことって実は難しい。
大人でも難しいのだから、子ども達にとっては
もっともっと難解な課題なのです。

 

【WMあるある その2】

算数の時間。先生が
『コンパスで半径5㎝の円を描きましょう』と
指示を出した。各々描き始めたけれど…

「よーし、書くぞー!」
  (コンパスの芯をセットして…)
「うーん、中心がうまく刺さらない…」
  (悪戦苦闘。なんとか刺さる)
「って、あれ? 何㎝の円かくの??」

 

「あーあ、曲がっちゃった。消しゴムは…」
  (筆箱をガサガサ…)
「あ、最近買った鉛筆♪ ねぇ、見て~」
  (隣の子とおしゃべり)
『はい、みんな書けたかな~?』
「!!!」

 
あるある~!!

学校の授業では、作業1つをとっても
何重にもミッションが重なっているんです。
ワーキングメモリが弱い子にとっては
多くのミッションを経て目的に辿り着くこと
それ自体が至難の業なのです。

さらには、子ども達のワーキングメモリは
「やる気」「モチベーション」によって
フルパワーを発揮できたりできなかったり
します。

 

 

大人にとって、学校の先生にとって、
「算数の時間に算数をすること」は
重要な目的で、常に集中しておくのが当然と
思いがちです。

しかし、子ども達にとっては
「算数」よりも楽しくて重要な目的がある
かもしれないし、算数なんて苦手だなぁ…と
思っているかもしれない。

そうなったら、本来出来る分量よりも
圧倒的に少ないワーキングメモリで
授業を受けてしまうので、もちろん
脱線も多くなっちゃいますよね…。

 
 

ワーキングメモリの基本的な働き

「目的を覚えておく」

 

これが苦手な子にとってのお助けツール。
それが ” 時間割 ”。

「今、何をする時間か」がわからなくなっても
「そっか、チャイムが鳴るまでは国語だった」
と思い出すことが出来、
「あと15分で中休み。それまでは頑張ろう」
と脱線しそうな自分を引き留めています。

時間割で『見通し』を持って取り組めること。
これはワーキングメモリ絶賛発達中の子ども達
全員にとって大事なことなんですね~。

 


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