算数のつまずきを考える④ 「およその数がわからない」の理由

2017/10/30 | 知れば納得!症状と理由 シリーズ

こんばんは🍀
言語聴覚士(ST)の田中美穂です。

 
 

秋が深まってきましたね~。

朝が寒すぎて、ライトダウンを出し
ヒートテックや分厚いタイツも
登場しました!!

葉も色づいてお出かけ日和ですね♪
 

 
 

さてさて、本日は。

シリーズ ☆ 算数のつまずきを考える
第4弾「およその数がわからない」です!!

 
 

ちょっと復習♪

「数概念」には2種類あり、

🍀 基数性  🍀 序数性

と呼ばれています。

 

先日の記事では、かずを数えたり、
数の並び・順序がわかるための力、すなわち
「序数性」についてお話しました♪

 

※ 詳しくはこちら♪
 「〇番目や5飛びがわからない」の理由

 

今日は「基数性」を取り上げます(^^)/
 
 

 
 
「基数性」とは、

数のかたまりや、およその数、数の大小等が
カウントしなくてもパッとわかる力

をさしています。

 

例えば、
2つの山になったミカンを見て、
どっちが多く食べれるかな?がわかること。

例えば、
500ページ位あるような分厚い本の
380ページを開けて~と言われたら、
「後ろの方から開いた方が早いなぁ」とか
「大体この辺が400ページ位だから…」等と
アタリを付けて数を捉えられること。

 

 

このような「基数性」の力が弱い子は、
実は埋もれてしまって気付かれにくいんです。

なぜかというと、
上記の”ミカンの山”の話で
「だいたい」がわからなかったとしても、
「いーちにーさん…」と数えていけば
時間がかかったとしても、
どちらが多いか答えることは出来るんです。

「序数性」の力を利用して「基数性」を
補っているわけですね!!

 

小学1~2年生の算数は
数の増減を考える、足し算・引き算!!

本来は「基数性」で捉えていく分野ですが、
数え足しや指おり算などの「序数性」でも
問題は解くことができます。

中には丸暗記で乗り切る子もいます。

 

 

こうして埋もれてしまっていた
「基数性」の弱さが、突然ハッキリ見えて
くるのが、割り算が始まる3年生からです。

 

150 ÷ 48 を考えるとき、
150の中に48がいくつ含まれるのか
「だいたい」=「概数」を使って考えます。

「48って、だいたい50位だから…
150の中には、50が3つだし…」
と考えて、商に3を立てるわけですね。

でも、この「だいたい」「おおよそ」が
わかりにくい場合には、
48×1=48、 48×2=96、48×3= …
と順に一つずつ計算してゆくため
とっても大変で時間がかかってしまいます。

そして割り算なんてだいっきらい!!と
なってしまうわけですね(>_<)アチャー

 


 

よつばの初回面談でも、
「小学3年生の割り算からつまずきました」
というご相談も多いですね。

 

その際には、
たくさんあるビーズやビー玉などを
3つ位におおざっぱに分けられるかを
確認することもあります♪

他にも…
粘土を同じような分量で半分こ出来るか?
ケーキを3等分できるか?
バラバラに広げられたトランプを
「1,2,3,4,5…」と数えずに5枚セットを
作ることができるのか?

 

遊びや日常生活でも、簡単にチェックでき
一緒に特訓できます♪

ぜひ一度お試し下さいね♪


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