自閉スペクトラム症の症状「空気が読めない…」の理由 

2017/07/05 | 知れば納得!症状と理由 シリーズ

こんばんは🍀
言語聴覚士(ST)の田中美穂です。

 

先日、自閉スペクトラム症をもつ男の子が
来塾した時、こんなやりとりがありました。

男子『先生、なんか変やで、今日』(真顔)

ST「ん?変って、服のこと?」

男子『ちがう。顔が変。おかしい』


確かに寝不足気味だけども…(笑)
髪型や服はいつも通りだし…

なんだろう、何が変なんだろう…

 

こりゃちょっと掘り下げて話してみるか~♪
と考え、私自身はニコニコしていたのですが、
お母さんは恐縮して叱り声。

 

「なに失礼なこと言ってるの!」
「先生ごめんなさい、ほんとにもう…」
「思ったまま言っちゃダメでしょ!」

 

いやいや、お母さん。
これにはきっと理由があります。
叱る前に一旦考えてみましょうか^^
知れば納得!かもしれません。

 

 

🍀🍀🍀🍀🍀

 

 

彼は、独特の着眼点や観察眼を持ち
いつも私が気づきもしないところに
気付いてくれます。

自閉スペクトラム症をもつ彼の
誇るべき素晴らしい力です。
今回も、きっとそうに違いない!

 

 

 

詳しく聞くと、つたないながらも一生懸命、
「何が変か」を説明してくれました。

彼の言う「変」は「いつもと違う」の意味。

そこに「異様」「不細工」等の負の意味は
含まれていないようでした。

 

ST「先生の何が、いつもと違ったの?」

男子『真ん中らへんが変なの。』

※ 主語が抜け、話が唐突に始まったり
興味あることだけ一方的に話すのも
自閉スペクトラム症の特徴です

ST「顔の真ん中、ってこと?鼻?」

男子『ちがう、目の真ん中。』

ST「目玉が違うの?何か映ってた?」

男子『ちがう。目。茶色くない。』

 

茶色というワードが出てやっと
「あーー!納得!!」となりました(笑)

その日はいつものアイラインが切れてしまい
仕方なく予備のモノを使ったのでした。

普段はダークブラウン⇒その日はブラック。

小さな小さな変化だと思っていましたが、
彼にとっては「いつもと違う顔」と
感じたようですね。

 

 

これは大事件!!
驚かせてごめんよ^^;

先生に報告しなくちゃ!と思ったんだね。
これが『先生、なんか変』の理由だね。

 

お母さんに報告すると、目を丸くしながら
「そんなのわかるんですね、すごすぎる…」
と仰いました。

私からお母さんに、こうご説明しました。

 
🍀🍀🍀🍀🍀

 

 

細部に気付ける素晴らしい力をお持ちです。
違いの分かる男★ですね!

でも、今回お母さんが焦ってしまったのは、
女性の顔を見て『変』と言ったからですよね。

言葉足らずだったり唐突だったりで、
「失礼」「空気が読めない」と誤解され
叱られたりもしますが、悪気はありません。
ただ、伝えたかっただけなんです。

今の課題は、思いを「変」の一言でしか
表現できなかったことです。
「先生のメイク、今日はちょっと違うね」と
言えば、そこまで誤解を生まなかったかも。

使う言葉のバリエーションとタイミング。

私相手なら何回失敗してもいいので、
しっかり練習してゆきましょうね^^

 

 

🍀🍀🍀🍀🍀

 

 

私個人としては、彼らのこんな珍事件。
本当に愛おしくて大好きです。

苦労してる分、うまく伝えられたらいいね。
一緒にいっぱい練習しようね!!


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