LD(学習障害)の症状② 「漢字や文字が正しく書けない」の理由

2017/08/04 | 知れば納得!症状と理由 シリーズ

こんばんは🍀
言語聴覚士(ST)の田中美穂です。

 

突然ですが!
どっちが「6」きゅうり??
 

 
もちろん、正解は左♪
 
またまた、我が家の庭から
「6」きゅうりをお届け!(笑)
味はいまいちでもカワイイです♪
 
 
 

さてさて、本日は、
この反転した「6」きゅうりだけでなく
文字・記号・図形を見た時に、
正しい形や微妙な違いが判別しにくい
“視覚的なLD” をもつ子のお話です。
 

 
 
 

鏡文字(左右反転した文字)になったり
後から自分で読み返しても読めない位に
乱雑な文字を書いてしまう子がいます。

他にも、
 独特の筆順で書く
 ノートのマス目から大きくはみ出す
 漢字の微細な間違いが多い
 「っ」や「、」「。」の位置が変

などで困っています。
 

このような間違い方は、
文字を覚え始めた年長さん~小1の頃は
よくあることです。
しかし、中学年や高学年になっても
同様の間違い方が続く子がいます。

視力が特別悪いわけでも、
集中できないわけでもないのに…。
なぜそうなってしまうのでしょうか?
 
 

原因は
「視覚情報の認知・処理」が苦手
だということ。

 
 

私たちはモノを見るとき、
眼球(目玉)にその像を映してスキャンし、
神経回路に乗せて、
視覚情報処理部門まで運びます。
(大脳の一番後ろにあります)

そこで、文字の形・大小・傾き・重なり等
しっかりと分析しています。
 
 

例えば、「犬」という字を見た時、
大脳の視覚情報処理部門が、

 ⇒横棒と斜め線2つが重なってるね
 ⇒「大」かと思いきや、点がついてるね
  …これは「太」?「犬」?
 ⇒点は右上、ということは「犬」だね!

と分析をします。


 

その後、頭のてっぺん(頭頂葉)にある
統合部門(まとめ役)まで情報を運んで、
今までの知識やイメージと、文字「犬」とを
マッチングするんです。

ここで初めて、「犬」という文字が、
ワンワンとなく可愛い動物で
「いぬ」と読む!とわかるんですね^^


 
 
 

🍀🍀🍀🍀🍀
 
 

大脳では、これだけの視覚情報処理を
一瞬でおこなっているわけですが…。
 

視覚情報の認知・処理が苦手な
LDを持つ子は、
視覚情報処理部門(大脳の後ろの方)や
統合部門(大脳のてっぺん)が
機能しにくく、形の特徴がわかりにくい
らしいのです。
 
文字は、線と点からなる”図形”なので
点の位置や細部の本数、ななめ線の傾き
などがわかりにくくなります。

 
 

そのまま文字を一生懸命書いているので、
鏡文字になったり
漢字の細部が間違っていたり
変な組み合わせの文字になっていたり
文字自体が乱雑に見えてしまったりします。
 

 
 

難しい文字 例えばコレ!!

書 ⇒ 何本あるの?
電 ⇒ 雨と田は繋がってる?
耳 ⇒ 突き抜けるのはどこ?
走 ⇒ 足・走・歩、あれ~どれだっけ?

高学年になると、難解さUPです…

港 ⇒ 溝?己・巳?
臨 ⇒ 臣?巨?口は何個?配置は?
機 ⇒ もう何が何だか…(遠い目)

 
🍀🍀🍀🍀🍀
 
 

本人はいたって真面目で、
漢字テストも漢字ドリルも頑張りたいし、
キレイに書きたいと思っているのに…

この線・点、どうなってるんだ?!(焦)
複雑すぎてマス目に収まらないよ!(怒)
そんなにペケばっかりつけないで…(泣)

そんなことが続いた結果、
「もう書きたくない!」
「漢字きらい!」
「どうせ書けないし読めないし!」
とふさぎ込んでいる子もいるんですね。

 

 

1人1人、形がわかりやすい方法は別々。
「これならわかる!」を見つけるため、
色々試して、考えてみませんか^^

よつばでやっている方法も少しずつ
ご紹介できたらと思います♪


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