こんばんは🍀
言語聴覚士(ST)の田中美穂です。
梅雨はどこに行ったんだ?!という
快晴&猛暑な6月末を経て…
大雨で7月スタートですね☂
昨日は、奈良に大雨警報が発令され、
子ども達は休校だったようです。
昼間のスーパーに子ども連れママが
たくさんいらっしゃいましたね(^^)/
今日は七夕ですが、このままいくと
雨のままかな… 残念…(>_<)
先日の記事では
指示語『あれこれ』ばかりで伝わらない!
と題して、
動詞や形容詞の難しさ・覚えにくさについて
簡単にご説明しました♪
本日は、このお話を少し深めて
会話にむけた第一歩!
オノマトペの可能性を探る
と題してお伝えしたいと思います(^^)/
🍀🍀🍀🍀🍀🍀
私達大人は、学校の国語の時間に
「名詞」や「動詞」を習ってきたので、
それらの働きがどんなものか、
どんなルールで使い分けるのか、を
よく知っています。
当たり前すぎて、改めて考える機会も
あまりないのではないでしょうか?
複雑で曖昧な “日本語のルール” を
私たちは子どもの頃、どうやって
覚えていったのでしょう?
すこし振り返ってみたいと思います。
身近な大人が喋ることばを聞いて、
子ども達は新しいことばを覚えてゆきます。
その中で、ある一定のルールがあることに
気付くのです。
大人が喋っていることばの中に、いつも
「~タ」とか「~テル」とか「~ナイ」が
付くことばがあるなぁ…
なんかよくわからないけど、
いつもお話の最後の方に言ってるなぁ…
繰り返しよく出てくる言葉だなぁ…
これに気付いた時、子ども達は初めて、
物の名前(名詞)とは明らかに違うことばが
存在している!とわかるのです。
名詞と動詞の区別ができるようになるのは
おおむね2歳を過ぎた頃から、と
言われています。
それまで単語だけで話していた赤ちゃんが
2歳をすぎると、簡単な文(2語文)で
「ブーブ、とって」「ワンワン、いる」と
お話し始めるのも、
なるほど、そういう仕組みだったわけです。
気付いて理解出来なきゃ
実際には使いこなせないですものね。
でも、ことばを覚え始めた頃の子ども達や
ことばの発達が少しゆっくりのお子さんには
その ”ルール” に気付くまでが
とっても難しいんです(>_<)
そして、
動詞の存在に気付いたとしても、
どの動詞がどのモノに対して使えるのか?
どのような状況だったら使っていいのか?
と混乱して上手く使えません。
わかっていても言葉にならない、という
状況になるわけです。
🍀🍀🍀🍀🍀🍀
そこで大活躍するのが
「オノマトペ」です!!
水たまりを飛び越える時
「エイッてする」「ピョーンてする」
みたいに話しているお子さん
たくさんいますよね(*^_^*)
動詞「飛び込む」「飛び越える」を
知らなくても
「エイッ」「ピョーン」で十分伝わるので
わかりやすいし使いやすいんです。
「チョキチョキする」 =切る
「クルクルする」 =回る
「もしもしする」 =電話する
こうして考えると、
小さな子どもの世界には
オノマトペがあふれていますね☆
名詞に比べて、使い方が複雑で
意味も抽象的な動詞。
でも、動詞なしには
文章でお話することが出来ないので、
伝えられる内容に限界が来てしまうのです。
お父さんお母さんともっとたくさん喋りたい!
わかってほしい!聞いてほしい!
だからまずは、意味が感覚的にわかって
使いやすいオノマトペから使い始めるんです。
私は、このオノマトペを多用する時期って
とっても大事だと思っています。
不完全な文ではあるけれど、
自分のわかることばを使って
相手に考えや気付いたことを必死に伝える。
これって
コミュニケーション意欲のカタマリ★
そして、同時に
新しい言葉を覚えるチャンス!
はさみを持って「チョキチョキして~」
➡「チョキチョキ、切ってるねぇ」
包丁のおもちゃを使って「トントンして~」
➡「トントン、包丁で切りまーす」
と言葉(動詞)を補充してあげることで、
どっちも「切る」って言うんだよ、と
伝えることが出来ます(*^_^*)
こども達の頭の中の辞書が
どんどん豊かになっていく。
オノマトペはその第一歩★なんですね!!
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