自閉スペクトラム症の症状「突然の変更が苦手」の理由

2017/08/21 | 知れば納得!症状と理由 シリーズ

こんにちは🍀
言語聴覚士(ST)の田中美穂です。
 
 

自閉スペクトラム症を持つ子達が
とっても苦手なこと。それが…
 

「突然の変更」

 
こうなるだろうと思っていたことが
突然変更されてしまうと、びっくりして
癇癪(かんしゃく)やパニックを起こして
しまいます。

どうしてこうなるのでしょう…
今日はそれを紐解いてみようと思います。
 

 
 
自閉スペクトラム症をもつ子達は
① 社会性 
② コミュニケーション
③ 想像力
に弱さを抱えています。
 
「想像力」に関する脳の機能がうまく
働かないと、「~したらどうなるかな?」と
物事の成り行きや結果を想像できません。
推理・推測が苦手なんですね。
 

 

そのため、
「いつも一緒」が一番安心できるんです。
“わからない不安” より “わかる安心”。

こうして安心のルーティン(決まり事)が
徐々に増え、彼ら独特の「こだわり」へと
発展していくのです。
 
 
🍀🍀🍀🍀🍀
 
 
では、ここで
自閉スペクトラム症をもつB君(仮称)の
朝の様子をご紹介します。

B君には、必ず毎朝しなくてはならない
ルーティン≒「こだわり」があります。
 
 ・起床後すぐ、暑くなくても扇風機を回す
 ・尿意があってもなくてもトイレに行く
 ・めざましテレビのじゃんけんは絶対!
 ・プラレールを10周眺めたらいざ登校!!

実は、もっと細かく決まっているのですが
今回は幾分か省略してお伝えしています。

 
ふわぁぁぁ…
朝からミッション盛りだくさんですね~
「いつも一緒」のために毎日頑張っています
 
 

 
 

でも… 朝ってたいてい忙しい!!
色んな「突然の変更」が生まれてしまい
ドタバタ劇が多くなるものです。
 
そんなイレギュラーな朝、
B君にはどんな事件が起きるでしょうか?
想像してみましょう。
 
 
🍀もし、遠足で早起きする日だったら??

 ・起きる時間が違ってびっくり!
 ・お母さんに「トイレはバスに乗る前に」
  と言われてびっくり。いつものトイレ
  を禁止されたと誤解して癇癪!
 ・めざましじゃんけんが無くてイライラ…
 ・癇癪ゃく・パニックで準備が遅れ、
  プラレールの時間がなくなる
 ・お母さんもお弁当作りに手を取られて
  焦ってしまい、お互いイライラ…
 
 
🍀もし、台風で警報が出ていたら??

 ・カーテンを開けたら暴風雨にパニック
 ・めざましテレビが台風速報になり、
  大好きなじゃんけんが出来ない
 ・そもそも登校時間がズレる
  もしくは決まらなくてソワソワする
 
 
B君は、想像力が弱いので
”遠足=早起き(いつもと違う)”
”台風=非常事態(どうなるかわからない)”
というイメージや推測ができません。
 

そのため、
「今日は遠足だし早めに準備しなきゃ」と
予測して事前準備をすることも、
「台風だから緊急事態だし仕方ないね」と
割り切って天気予報を見ながら待つことも
難しいのです。
 

 
 
🍀🍀🍀🍀🍀
 
B君のように、
安心のためのこだわりが強い子には
「見通し」を持たせ、その都度予告すること
が重要になってきます。

それと同時に、
どれだけ準備していても予測できない
突然の変更にも対応できるように、
ソーシャルスキルトレーニング(SST)で
気持ちの切り替え方法を学んだり、
自分に合った対応パターンを覚えたりと
トレーニングしてゆくことになります。
 
 

よつばではこの部分にもトライしています^^
ご興味があれば、ぜひお問合せ下さいね🍀


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