こんばんは🍀
言語聴覚士(ST)の田中美穂です。
ご好評をいただいております
シリーズ ☆ 算数のつまずきを考える
本日はついに「計算」レベルに突入♪
第5弾「計算が遅い」「暗算できない」を
お送りします。
これまでの算数シリーズはこちら(^^)/
①「数感覚 (ナンバーセンス) がすべての土台!」
②「数字・数詞で大混乱!!」の理由
③「〇番目や5飛びがわからない」の理由
④「およその数がわからない」の理由
園生活や日常生活の中で、入学までに
上記のような「かず」に関する力を
獲得していきます。
小学校に入学すると、これらを使って
いざ計算!!ですね(^^)/
小学校低学年で習う算数は、
単純な1桁~2桁のたし・ひき算や、
九九をベースとした簡単なかけ・わり算。
数字を見ただけで答えがわかる位まで
何度も何度もくりかえし学習することで、
難しい計算を支える ” 暗算力 ” が育ちます。
例えば、こんな計算。
深く考え込まなくても、答えが自動的に
出てくる方が多いのではないでしょうか??
繰り上がり・繰り下がりがあったとしても、
5秒以内には概ね答えが出ていると思います。
九九をベースにしているものは、
九九さえ正確に暗記してしまえば
相当早く計算できちゃいます♪
九九の暗記につまずかなかった場合は、
たしひき算より、かけわり算が得意!と
話す子もたくさんいるんですよ^^
こんな風に、もはや自動的に行えるような
” 覚えちゃってる計算 ” を、
専門用語では『数的事実』と呼んでいます。
大脳の左側、言語をつかさどる部分で
計算・処理していると言われており、
限りなく「暗記・暗唱」の力に近い力です。
ということは…、
耳から入る聴覚的な情報を処理するのが
得意な子は、スラスラと覚えてゆけるし
計算もスイスイと早くなります。
一方で、これが苦手な子は、
1つ1つの計算を自動化することができず
計算が遅くなってしまうんですね。
ここでポイントとなるのが、
計算が「できない」わけではなく、
ただ「ゆっくり」なだけ!
というところなんです。
指を折ったり、数え足ししたり、筆算したり。
時間をかければ、必ず答えにたどり着ける。
毎日の計算ドリルの宿題に、
ものすごーく時間がかかっていたとしても
決して答えが出ないわけではないので、
ご家庭でも学校でも見過ごされていたり、
あまり問題視されない場合もあるんです。
でもでも!!
「簡単な計算がスムーズに暗算できる」って
算数においてはとーーっても大切!!
だって、これからさらに計算手順が複雑に
難しくなっていくのですから(>_<)
より複雑な操作が必要な計算、たとえば…
47×6=
(28+43)×3=
132÷3=
これらの計算の途中で出てくる、
くり上がり・くり下がり・九九で悩んで
しまうと、計算自体が遅くなります。
さらには、途中で何をやっているのか
忘れたり混乱してしまう場合もあります。
学習は全て「積み上げ式」ですが、
中でも算数は、積み上げ方がより明確。
低学年での「算数のチェックポイント」
🍀 数のイメージがぱっと湧くか?
🍀 数直線が頭の中にあるか?
🍀 簡単な暗算が自動化されているか?
これらのポイントをチェックし、
苦手そうなところは基礎に立ち返って
繰り返し練習するといいですね♪
覚えやすい方法、一緒に考えましょう!!
今後、教材紹介などで計算教材も
お伝えできたらと思ってます♪
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