算数のつまずきを考える⑦ 「筆算が苦手… 桁がズレる?」の理由

2018/02/21 | 知れば納得!症状と理由 シリーズ

こんばんは🍀
言語聴覚士(ST)の田中美穂です。
 
 

昨年末から、シリーズでお伝えしていた
≪ 算数のつまずきを考える ≫

こちらが、大変ご好評いただいている
模様です(^o^)/ ワーイ!

ありがとうございます☆

 

【これまでの算数シリーズはこちら】
   ↓↓↓
① 数感覚(ナンバーセンス)がすべての土台!
② 数字・数詞で大混乱
③ ○番目や5飛びがわからない
④ およその数がわからない
⑤ 計算が遅い・暗算できない
⑥ 九九が覚えられない!

 
 

 

 

というわけで、第7弾☆

本日は「筆算」について考えます(^^)/

 

足し算・引き算・九九…
1桁同士の計算なら、順調にクリアしたぞ!
よしよし、いい感じ♬

と、算数への自信をつけ始めたそんな時、
容赦なく始まるのが「筆算」です。

 

「確かにちょっと面倒だけど
 手順通りにやれば答え出せるやん~」

と思う方も多いかもしれません。

 

しっかーーーし(>_<)

ワーキングメモリが弱い子や、
視空間認知が弱い子にとって、
筆算は結構難しいんです。

 

一体どうしてなのでしょうか??

 

 

ワーキングメモリの弱い子から見た「筆算」

   ↓↓↓

「あれ?今、何やってたんだっけ?!」

 

筆算を下支えする重要なファクターに
ワーキングメモリがあります(^o^)

ワーキングメモリの弱い子にとって、筆算は
手順が多くて複雑で
スタートとゴールがさっぱりわからない迷宮
みたいな感じなんだと思います。

 

たとえば、割り算の筆算では
商立てするために九九を唱え
引き算して、あまりを出して・・・

さらに複雑なものになれば
小数点を動かしたり、0を付けたり・・・

 

こんなに手順が多いと、もはや
「今 ” なに算 ” をしてたんだっけ?」
と、根本からわからなくなってしまいます。

こりゃ、ワーキングメモリに負荷を
かけすぎない配慮が必要ですね…(>_<)💦

 

詳しくは、以前の記事
「筆算 (繰り上がり・繰り下がり)が苦手… 原因はワーキングメモリ?!」をご覧ください♪

 
 
 

 
 

視空間認知が弱い子から見た「筆算」

   ↓↓↓

「どこに書くの? もしかしてずれた?」

 

視空間認知に弱さが或る子に、
かけ算の筆算を解いてもらうと、
うーーんうーーんと唸ってしまいます。

よく聞くセリフは、
「どの数字とどの数字を、かけるの?」

それもそのはず。
かけ算の筆算って、手順をイラスト化すると
こんな風になっているんですよね。

 

 
 
 

視空間認知が弱い子は、上記筆算の
緑やじるしと青やじるしが交差するあたりで
大混乱に陥ります(>_<)      
 
 
 

斜め上のものとかけ合わせるだけでも
かなり難しいのに、桁が多くなると
途中に何個もの数字をまたいで
目を動かし計算しなくてはなりません。

そして、がんばって掛け合わせた数字を
下段に転記する時にもトラップがあります。

その結果…
こんなことが起きてしまうんですね。

みなさん、何が起こったかわかりますか??

 

 
 
 

間違い方がいつも似ている子。
もしかしたら、
ワーキングメモリや視空間の問題を
抱えつつ奮闘しているかもしれません。

上記のように少し色分けして手順を
整理して教えてあげたり、
書く場所を明確にするだけでも
わかりやすくなる子がいます。

マス目を使っただけで計算ミスが減る子も!

 

大人の「もしかして?」が
子ども達を筆算迷宮に迷い込ませない
鍵になるかもしれませんね(^o^)丿

 


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